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わたしが近ごろかんがえていることを徒然なるままに...
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「一九七二」を読んで(下)
坪内祐三著「一九七二」を読んだ感想を前回は少し大きく捉え過ぎましたが、個々の事柄のうち特に感慨深かったものについて書いておきます。

まずあらためて1972年の2月だけを見ても次のような凄まじさです。

  • 2日 横井さん帰国(1月24日グアムで救出)

  • 3日 札幌オリンピック開幕(~13日)

  • 17日 連合赤軍の森恒夫と永田洋子、群馬県で逮捕

  • 19日 連合赤軍あさま山荘事件(~28日)

  • 22日 ニクソン訪中

作中、最も引き込まれたのはやはり一連の連合赤軍の記述でした。連合赤軍といえばまず「あさま山荘」ですが、わたしもリアルタイムで見たことは間違いないのです。しかし生中継され続けた(という)映像を夜も見ていたのか覚えていません。果たして当時ドキドキしながら見たものかどうか、回りの大人たちの表情はどうだったのか、記憶はありません。時代を象徴する出来事としてあの映像はその後何度もみることになりましたから、"後付け"されたものなのか当初の記憶なのかわからなくなっています。あとは、総括して埋めた穴が掘り起こされ、中に何人かの遺体跡が白いひも(?)で記されていた映像も印象的に覚えていますが、これも"後付け"かも知れません。

この事件に関するわたしの能動的なアプローチは、機動隊側から描いた佐々淳行著「 連合赤軍『あさま山荘』事件 」を数年前に読んだ程度です。そもそも今回この作品を読むまで赤軍派と革命左派の"連合"であることさえ知りませんでした。"総括"があったことは知っていてもそれに至る経緯も知るところではありませんでした。

著者の、犯人たちの手記、そして当時の刊行物からの絶妙な構成によって、サスペンスを読む感覚で一気に読ませられました(オリジナルは月刊誌での連載ですが「このつづきは次回へ」的ななんとも嫌らしい切り方で、次号が待ち遠しく、読者はある意味イライラしたのではないでしょうか)。

彼らが異常さよりもむしろ普通の若者っぽさを多分に持ち合わせていたことは意外でした。ともに革命を目的としながらも、のちの狂信集団としてのオウム真理教とは趣を異にしていたのでは、という印象を持ちました
連合赤軍については今回初めて知ったことが多過ぎました。いずれ手記本体を含めてもう少し詳しく見てみたいと思っています。

次に本作品で懐かしく読んだのはロック、「ぴあ」に関することです。
ロック界の外タレ来日ラッシュの黎明期には、当時わたしは地方在住でしたので、当然立ち会っていません。「ポパイ」など読みながら(それほど強くはなかったとはいえ)都会の文化面での充実ぶりをうらやましく思っているしかありませんでした。その当時は「ぴあ」の存在は知らなかったと思います。

その後、進学で上京したのですが「ぴあ」はすぐに買いました(一時シティロードに移ったことも思い出しました)。名画座でいい映画を安く観まくることを上京前は大きな目標に置いていたのですが、実際は大して実行できなかったことがほろ苦く思い出されます。とはいえ「ぴあ」で調べて電車を乗り継いでかなり遠くの映画館まで行ったことはありました(映画のためだけにただ一度訪れた町は何カ所かあったはずです)。

何度か外タレロックにも行きました。プレイガイドで求めたチケットはほとんどがとんでもないところしかとれないものでした。武道館の座席表で「ココになりますが」とステージの横やや後ろの二階席を指され「えー、これでS席?」と思っても結局は買ってしまったものです。

1980年前後だったと思います。何のコンサートだったか忘れましたが、新聞紙上で来日の告知とともにチケット発売に先立つ整理券配布の日時が載ったのです。その整理券を求めてウドーだったかキョードーだったか、いずれ招聘元の事務所まで(わざわざ)出かけたのです。ビルの外から中の事務所の階まで階段も人でいっぱいでした。これも「電話予約」というシステムさえまだなかった時代の思い出です。

最後に、著者の、おそらく膨大な資料に当たったであろう労力にあらためて感服するとともに、同時代を生きたものとして、久しく忘れていたことを思い出させてくれたり、当時は知る由もなかったことの意味付けがわかったり、と楽しく読ませてくれたことに感謝したいと思います。
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