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スタンダール「赤と黒」:読後メモ
本日スタンダール著「赤と黒」(鈴木力衛訳)を読み終えました。わたしが今までに読んだミステリや推理ものを除いて、世界文学全集の類いの選に洩れることは無いような、海外の古典作品のなかでは最も長編のものでした。

「おもしろかったか」と問われれば、「それほどでも」というのが正直なところです。以下、"2時間でわかる世界の名著"にあるあらすじを借りて、わたしの感想を記しておきます(あらすじはイタリックで、かつ気になる部分はボールドで表示)。




 ときはナポレオンが没落し、ブルボン王朝が復活した「王政復古」の時代。場所はフランス東部の町ヴェリエール。
 貧しい材木屋の三男坊として生まれたジュリアン・ソレルは、「ナポレオンの全盛期ならば、軍人として世に出ることができた。しかし、いまはもう時代が違う。自分(平民出身)のような者が出世をするには、聖職者になるしかない」と考え、司祭についてラテン語の勉強に励む。
 ジュリアンの明晰《めいせき》な頭脳と博学は評判となり、やがて町長レナールの目にとまる。そして、ジュリアンは家庭教師としてレナール家に招かれる。
 レナール家で生活するうちに、ジュリアンは「貴族の女を自分のものにしなければならない」と思うようになり、レナール夫人を誘惑する。そして、ジュリアンと夫人は不倫関係となるのだが、それが原因でジュリアンはレナール家を追われる。
 故郷ヴェリエールをあとにして、ジュリアンはブザンソンの神学校に入る。が、なかなかそこでの生活になじむことができず、執拗《しつよう》なイジメに遭う。しかし、ジュリアンの才能を認める校長の推薦によって、ラ・モール侯爵の秘書の座を獲得する。


それほど執拗にいじめを受けた印象はない。「執拗にいじめられた」という一文ですませ、詳細な描写をしなかったからかもしれない。あえてかもしれないが詳細に描写しない箇所は他にもみられた。もっとも印象深いのは大団円での処刑場面が"全く"描かれていないこと。処刑の前日にジュリアンが友フーケに語ったその直後の場面で、フーケは自分の部屋で引き取ったジュリアンの遺体を目の前にしている。

 パリの侯爵邸で生活するようになったジュリアンは、社交界の華とされていた侯爵令嬢マチルドに狙いを定め、彼女の心をみごと射止める。

レナール婦人のときほど野心的に「落とそう」というふうには見えなかった。むしろ純粋に「惚れていった」ように見えた。ジュリアンの「惚れ」て次に「軽蔑」し、今度こそ本当に「惚れ」また「軽蔑」...という果てしない循環にこちらは途中から嫌気がさしてきた。そういう時代、文化だったのかなと判断するしかなかった。

 侯爵は「平民出の男との結婚などもってのほか」と激怒するが、ジュリアンの子を宿したマチルドに説得され、二人の結婚を渋々認める。
 ところがあと一歩というところで、侯爵のもとにレナール夫人からジュリアンの過去の素行を暴《あば》く手紙が届き、結婚話は破綻《はたん》する。玉の輿に乗りそこねて激怒したジュリアンは故郷に舞い戻り、レナール夫人にピストルを放ち、負傷させる。


「第三十五章 あらし」にでてくるラ・モール侯爵からマチルダへの手紙のなかでレナール婦人の手紙のことをこう言っている。「この手紙(引用者註:レナール婦人の手紙)を読むがいい。わたしから問い合わせをしてやった、その返事なのだ。恥知らずなあの男(引用者註:ジュリアンのこと)は、自分からわたしに、ド・レナール婦人へ手紙を出すようにたのんだのだ」と。ジュリアンは何を目的にレナール婦人への照会を促したのか。自分に有利な推薦文が来るとでも期待していたのか。

 ジュリアンはただちに逮捕され、獄中で失意の日々を送る。やがて、ジュリアンを訪ねてきたレナール夫人から「密告の手紙は本意ではなかった」と聞き、死刑を目前にしてはじめて、真実の愛に目覚める

作中何度「はじめて、真実の愛に目覚め」たことだろう。上述したような循環する気持ちの変化はレナール婦人に対しても複数回、マチルドにたいしても同様だった。そのたびに「はじめて、目覚め」てはいなかったか。ジュリアンはわたしには非常に軟弱な人物に感じられた。

最後に、最大の疑問は、レナール婦人が後を追って死を選んだこと。それも子どもを道連れに。
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ジャンルを問わず「北斎もの」は数多いが、この作品は別格で、これを読んだら誰もが北斎に惚れ直して、たぶんかなりの確率で同じ様な生き方をしてみたくなるのではないだろうか。江戸の暮らしも、貧乏も、あるいは人間のしがらみも、これはこれで悪くないと思わせるのは、や
2007/10/02(火) 14:17:31) | あかねのblog
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